家づくりの打ち合わせで「動線は大事ですよ」と言われても、
正直ピンとこないまま進んでしまう方は少なくありません。
ところが、住み始めてから
「家事が思ったより大変」
「毎日の移動が地味にストレス」
と感じる原因の多くが、この生活動線にあります。
現場で多くの家を見てきた立場から、
無駄な動きを減らすための考え方をお伝えします。
生活動線とは、
起きてから寝るまでの移動の流れのことです。
こうした動きがスムーズにつながっているかどうかで、
暮らしやすさは大きく変わります。
図面では広く見えても、
実際の動きが遠回りになっているケースは意外と多いです。
よく聞く声の一つが、
「洗濯のたびに家の中を何往復もしている」というものです。
洗面所と物干し場が遠い、
収納場所が別の階にある、
こうした配置は、毎日の負担になります。
また、キッチンからダイニングが遠いと、
配膳や片付けのたびに行き来が増え、
小さなストレスが積み重なります。
動線を考えるときは、
一つひとつの部屋ではなく、作業の流れで考えることが大切です。
例えば洗濯なら、
「洗う → 干す → しまう」
この3つができるだけ近くにあるかを確認します。
料理なら、
「冷蔵庫 → 調理 → 配膳 → 片付け」
がスムーズにつながるかがポイントです。
現場で満足度が高いのは、
回遊できる動線を取り入れた間取りです。
キッチンと洗面所を行き来しやすくしたり、
玄関からパントリーへ直接入れるようにしたりすると、
移動距離が自然と短くなります。
ただし、回遊動線は作りすぎると、
収納が減ったり、落ち着かない空間になることもあります。
バランスが大切です。
動線の正解は、家族によって違います。
共働きなのか、
子どもが小さいのか、
在宅時間が長いのか。
現場では、
「今」だけでなく「数年後」を考えた動線ほど、
後悔が少ないと感じます。
最後に一つ、大事なポイントがあります。
それは、図面だけで動線を判断しないことです。
実際に歩くつもりで指を動かし、朝の動きをシミュレーションしてみてください。
そのひと手間が、「無駄に疲れない家」につながります。
動線は目に見えにくい部分ですが、暮らしやすさを大きく左右します。
家づくりの打ち合わせでは、ぜひ動線を意識してみてください。
