家を建てたいと思ったとき、多くの方がワクワクすると同時に「本当に払っていけるのだろうか…」という不安を感じます。住宅ローンは長期間にわたって支払うものですから、無理のある計画を立ててしまうと、後々の生活に大きな影響を及ぼします。
そこで大切なのが「家計シミュレーション」です。単に住宅ローンを組めるかどうかではなく、「建てた後もゆとりある暮らしが続けられるか」を事前に確認することが、後悔しない家づくりの第一歩になります。
住宅ローンは、多くの場合30年から35年の長期契約になります。そのため、今の収入だけでなく、将来の収入の変化やライフイベントまで見据えて計画することが大切です。
家を建てると「住宅ローンの返済」だけでなく、「固定資産税」「光熱費」「メンテナンス費」などの出費が増えます。家計シミュレーションをすることで、これらを含めても生活にゆとりが残るかどうかを確認できます。
子どもの進学や車の買い替え、老後の生活など、住宅以外にも大きな支出は必ず発生します。家にお金をかけすぎて、教育や老後資金が不足してしまうケースは少なくありません。
では、実際にどのようにシミュレーションを行えばよいのでしょうか。大きく分けると次の3ステップです。
まずは現在の家計を「見える化」します。
これを整理することで、「毎月いくら住宅ローンに回せるか」の目安がつかめます。
次に、今後予定されるライフイベントを洗い出しましょう。
こうした支出を見込んだうえで、住宅ローンの返済を続けられるかを確認します。
建物本体の費用だけでなく、実際には以下のような費用がかかります。
これらを含めてシミュレーションすることが、現実的な家計計画には欠かせません。
ボーナスは景気や勤務先の状況によって減額される可能性があります。ボーナス返済を前提にすると、想定外の減収時に苦しくなるリスクが高まります。
特に最近はエネルギー価格の変動が大きいため、光熱費が想定以上にかかることがあります。高性能住宅を検討することは、将来の光熱費を抑える意味でも有効です。
住宅は建てたら終わりではなく、長く住むためには定期的なメンテナンスが必要です。外壁塗装や給湯器交換などを含めた費用を想定しておかないと、後から家計を圧迫します。
「共働きが続く場合」「一人の収入に頼る場合」「子どもが私立に進学する場合」など、複数のシナリオを想定してシミュレーションすると、より安心です。
「住宅ローンは年収の25%以内に抑える」といった目安があります。少し余裕を持って返済計画を立てることで、急な出費にも対応できます。
工務店やファイナンシャルプランナーに相談すると、最新の金利や補助金制度も含めた具体的なシミュレーションをしてもらえます。自分たちだけで悩むよりも、客観的な視点を取り入れることで不安が解消しやすくなります。
だからこそ「建てた後に後悔しない」ためには、家計シミュレーションを通じて将来を見据えた計画を立てることが欠かせません。
これらを踏まえて準備することで、家族が安心して長く暮らせる住まいが実現できます。
ぜひ家づくりを進める前に、シミュレーションで将来の暮らしをイメージしてみてください。それが「建ててよかった」と思える家づくりへの近道です。